W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
とぼとぼと、夕日の差し込む廊下を歩いていると、立ち止まりため息をついて引き返す。
あのまま飛び出して仕事サボってしまった…。
あれから会社も飛び出して近くの公園に逃げ込み、何にも持たずに来たから連絡も入れず、ベンチでボーッと考え事をしていたら夕方になってしまった。
空がオレンジ色に染まっていることにやっと気付いて慌てて戻って来たけど、社長室の前に行くと入って行けずに行ったり来たりを繰り返していた。
エレベーターまで行ってまた引き返そうとしたら、エレベーターが開き、前澤副社長が一人降りてきた。
「あ、新村さん…」
「ま、前澤副社長!すいませんっ!!あのまま飛び出して仕事サボってしまいました」
慌てて頭を下げ謝る。
一番謝らなきゃいけないのは梗月なのに…。
秘書なのに仕事ほっぽりだして迷惑掛けてしまった。
頭を下げたままぎゅっと目を瞑っていると、肩に手を置かれた。
「新村さん、大丈夫だよ。梗月くんも滞りなく仕事をこなしてるから。今、監査の最終報告を聞いてきたところなんだ。ちょっと話をしたいんだが、いいかな?」
頭をあげるといつもの穏やかな前澤副社長の顔と副社長室のドアを指指す手。
「はい…」
促されるまま副社長室に入り、副社長秘書の東山さんに会釈をして奥へ入った。
社長室より少し小さいそこにも応接セットがあり、座るように言われゆっくりと腰掛けた。
「さて、まず監査の話だが、問題無く終わって細かい指摘はいくつか出たが大方合格点を頂けた」
「そうですか」
ほっとして胸を撫で下ろす。
監査の続いたこの5日間は全社員緊張だったに違いない。
大きな問題はなくて良かった。
「そして、涼月くん達はもうすぐ帰るんだが…、涼月くんが新村さんを連れて帰るときかなくてね…」
「えっ!」
涼月はまだそんな事言ってるのか。
冗談だと笑って帰って欲しい…。
「涼月くんは本気のようだよ。君を総裁に会わせる気だ」
「そんな事!副社長からも言ってください!私じゃ不釣り合いだって!」
なんとか前澤副社長から説得してもらって馬鹿なことは止めて欲しいと懇願したけど、副社長もとんでもないことを言い出した。
「僕も涼月くんの相手は新村さんがいいと思ったんだ。気立てはいいし世話焼きタイプだろう?将来いいお嫁さんになると思うんだ。」
「な、何言ってるんですか?私は一般人ですよ!だいたい総裁もお父様の社長も許す筈がありません!」
「何か勘違いしてるようだが、一般人も大企業も、何も関係無いよ。現に涼月くん達のお母さん、本社社長の奥様は通っていた高校の近所の花屋の娘さんだった」
「え?」
「そりゃあもう美人で有名で学生の頃は男子が良く学校やら彼女が手伝ってる花屋に見に行ったものだ」
懐かしむようににやける前澤副社長。
彼もその中の一人なのだろう…。
静香が見つめてるのに気付いて咳払いをしながら顔を真顔に戻した。
あのまま飛び出して仕事サボってしまった…。
あれから会社も飛び出して近くの公園に逃げ込み、何にも持たずに来たから連絡も入れず、ベンチでボーッと考え事をしていたら夕方になってしまった。
空がオレンジ色に染まっていることにやっと気付いて慌てて戻って来たけど、社長室の前に行くと入って行けずに行ったり来たりを繰り返していた。
エレベーターまで行ってまた引き返そうとしたら、エレベーターが開き、前澤副社長が一人降りてきた。
「あ、新村さん…」
「ま、前澤副社長!すいませんっ!!あのまま飛び出して仕事サボってしまいました」
慌てて頭を下げ謝る。
一番謝らなきゃいけないのは梗月なのに…。
秘書なのに仕事ほっぽりだして迷惑掛けてしまった。
頭を下げたままぎゅっと目を瞑っていると、肩に手を置かれた。
「新村さん、大丈夫だよ。梗月くんも滞りなく仕事をこなしてるから。今、監査の最終報告を聞いてきたところなんだ。ちょっと話をしたいんだが、いいかな?」
頭をあげるといつもの穏やかな前澤副社長の顔と副社長室のドアを指指す手。
「はい…」
促されるまま副社長室に入り、副社長秘書の東山さんに会釈をして奥へ入った。
社長室より少し小さいそこにも応接セットがあり、座るように言われゆっくりと腰掛けた。
「さて、まず監査の話だが、問題無く終わって細かい指摘はいくつか出たが大方合格点を頂けた」
「そうですか」
ほっとして胸を撫で下ろす。
監査の続いたこの5日間は全社員緊張だったに違いない。
大きな問題はなくて良かった。
「そして、涼月くん達はもうすぐ帰るんだが…、涼月くんが新村さんを連れて帰るときかなくてね…」
「えっ!」
涼月はまだそんな事言ってるのか。
冗談だと笑って帰って欲しい…。
「涼月くんは本気のようだよ。君を総裁に会わせる気だ」
「そんな事!副社長からも言ってください!私じゃ不釣り合いだって!」
なんとか前澤副社長から説得してもらって馬鹿なことは止めて欲しいと懇願したけど、副社長もとんでもないことを言い出した。
「僕も涼月くんの相手は新村さんがいいと思ったんだ。気立てはいいし世話焼きタイプだろう?将来いいお嫁さんになると思うんだ。」
「な、何言ってるんですか?私は一般人ですよ!だいたい総裁もお父様の社長も許す筈がありません!」
「何か勘違いしてるようだが、一般人も大企業も、何も関係無いよ。現に涼月くん達のお母さん、本社社長の奥様は通っていた高校の近所の花屋の娘さんだった」
「え?」
「そりゃあもう美人で有名で学生の頃は男子が良く学校やら彼女が手伝ってる花屋に見に行ったものだ」
懐かしむようににやける前澤副社長。
彼もその中の一人なのだろう…。
静香が見つめてるのに気付いて咳払いをしながら顔を真顔に戻した。