W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
「だから、涼月くんが御曹司だからって気後れすることはない」
「でも、奈津子さんは…」
「それは、親同士が親友だからね。奈津子くんは一人娘だし、本郷家は双子の男の子だったから、どちらかと結婚したら親戚にもなるしと、子供達が小さかった頃の安易な約束なんだが…、社長達は今でも乗り気でね。奈津子さんに早く落ち着いて欲しいという親心もあってね…」
「結婚と同時に業務提携をすると言ってましたよね?」
「それもなきにしもあらずなんだが、決して政略結婚をさせたい訳じゃないんだよ」
でも、それでも私は涼月さんには相応しくない…。
膝の上に置いた手を握りしめ爪が食い込む。
「私には無理です。何故私なんですか?もっと他に相応しい人がいるはずです」
「君は唯一涼月くんと梗月くんを見分けることができる。これは凄いことなんだよ?家族以外では初めてなんだ。子供の頃から二人は間違えられてね、その度にどちらでもいいと言われて、それで二人とも少し自棄になってるところもあるんだ。君は二人を救ってくれそうな気がするんだよ」
「でも、それでも、私は…」
言葉に詰まり曇る静香の顔をじっと見つめられているとわかっていたけど、涙がこみ上げてきてなんとか溢さないように耐えてるのがやっとだった。
何故涙が出るのかもわからない。
「新村さんは、前に付き合っている人はいないと聞いたからよい話だと思ったんだけど…。他に、好きな人がいるのかい?」
優しく問いかける前澤副社長に思わず顔を上げ涙がホロリとこぼれた。
その瞬間にノックがして返事をする前にドアが開いた。
「専務、さっきの件で…、静香くん?!」
入って来たのは梗月で、静香がいたことに驚き走り寄るとソファーの前に片膝を着き静香の両手を取った。
「心配したよ。荷物も置いて出ていったからすぐ戻ると思っ手たのになかなか帰って来ないから。何故、泣いている?何かあったのか?」
顔を覗き込まれ両手をがっしり握られて涙も拭けず顔を背けていたが、握っていた片方の手が頬に触れ正面を向かされた。
それでも片膝を着く梗月と目を合わせられなくて下を向いていると優しく涙を拭われ、おずおずと目線を上げると心配そうな顔をした梗月と目が合った。
「すいません、梗月さん。職場を逃げ出すようなことをして…」
か細い声でなんとか謝ると頬に触れる手が何度も撫でて次から次へと流れる涙を拭いてくれた。
「いいんだよそんな事は。悪いのは僕たちだ。君が無事で良かった」
「ご心配おかけしました…」
優しく微笑んでくれる梗月と見つめあっていると、
「そうか、君たち…。そうだよなぁ、ずっと一緒にいたんだから…」
「でも、奈津子さんは…」
「それは、親同士が親友だからね。奈津子くんは一人娘だし、本郷家は双子の男の子だったから、どちらかと結婚したら親戚にもなるしと、子供達が小さかった頃の安易な約束なんだが…、社長達は今でも乗り気でね。奈津子さんに早く落ち着いて欲しいという親心もあってね…」
「結婚と同時に業務提携をすると言ってましたよね?」
「それもなきにしもあらずなんだが、決して政略結婚をさせたい訳じゃないんだよ」
でも、それでも私は涼月さんには相応しくない…。
膝の上に置いた手を握りしめ爪が食い込む。
「私には無理です。何故私なんですか?もっと他に相応しい人がいるはずです」
「君は唯一涼月くんと梗月くんを見分けることができる。これは凄いことなんだよ?家族以外では初めてなんだ。子供の頃から二人は間違えられてね、その度にどちらでもいいと言われて、それで二人とも少し自棄になってるところもあるんだ。君は二人を救ってくれそうな気がするんだよ」
「でも、それでも、私は…」
言葉に詰まり曇る静香の顔をじっと見つめられているとわかっていたけど、涙がこみ上げてきてなんとか溢さないように耐えてるのがやっとだった。
何故涙が出るのかもわからない。
「新村さんは、前に付き合っている人はいないと聞いたからよい話だと思ったんだけど…。他に、好きな人がいるのかい?」
優しく問いかける前澤副社長に思わず顔を上げ涙がホロリとこぼれた。
その瞬間にノックがして返事をする前にドアが開いた。
「専務、さっきの件で…、静香くん?!」
入って来たのは梗月で、静香がいたことに驚き走り寄るとソファーの前に片膝を着き静香の両手を取った。
「心配したよ。荷物も置いて出ていったからすぐ戻ると思っ手たのになかなか帰って来ないから。何故、泣いている?何かあったのか?」
顔を覗き込まれ両手をがっしり握られて涙も拭けず顔を背けていたが、握っていた片方の手が頬に触れ正面を向かされた。
それでも片膝を着く梗月と目を合わせられなくて下を向いていると優しく涙を拭われ、おずおずと目線を上げると心配そうな顔をした梗月と目が合った。
「すいません、梗月さん。職場を逃げ出すようなことをして…」
か細い声でなんとか謝ると頬に触れる手が何度も撫でて次から次へと流れる涙を拭いてくれた。
「いいんだよそんな事は。悪いのは僕たちだ。君が無事で良かった」
「ご心配おかけしました…」
優しく微笑んでくれる梗月と見つめあっていると、
「そうか、君たち…。そうだよなぁ、ずっと一緒にいたんだから…」