W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
終始無言だった涼月になんて言葉を掛けていいかわからないうちにスイートルームへ戻ってきた。
既にあの3人の姿は無く。用意されていたたくさんのドレスたちも片づけられているようだ。
リビングの中央まで手を繋がれたまま行くと、立ち止まった涼月に恐る恐る声を掛けた。
「あの、涼月さん、私着替えますんで、ここもすぐ出た方がいいですよね?」
「…え?いや、今日はこのままここに泊まるよ。明日休みだしゆっくりしよう」
「えっ?」
考え事をしてたのか、遅れて反応した涼月の答えにびっくりした。
ここは着替えるために借りただけで家へ帰るものと思っていたのにそのまま泊まるとは。
なんだか急にドキドキして、繋がれた手を外そうとした。
その手をまたギュッと強く握ってこちらに向き直る涼月の顔が見れなくて俯いた。
「なに?照れてんの?ここにいても家に帰っても俺たち二人なのに?」
「や、そうなんですけど・・・」
にやりと笑って静香の腰に手を回し顔を覗き込もうとかがむ涼月と目が合ってしまった。
このホテルというシチュエーションがよからぬ妄想を掻きたてられて顔が熱くなる。
「ふふ、かわいい」
そんな静香を笑って頭を抱えるように抱きしめられた。
しばらくそのまま大人しくしていると、
「静香ちゃんはさ、やっぱり好きな人と結婚したい?」
「そ、そりゃもちろん…」
何を言い出すんだろう。
言い知れぬ不安が襲ってきてドキドキと胸が脈打つ。
「じゃあ、その好きな人と結婚できないときはどうしたらいいかわかる?」
「え?…わかりません」
「答えはさ…好きな人を想いながら違う相手に抱かれることだよ。諦めがつく…」
「そ、そんな身も蓋もない…」
困惑して緩んだ腕から顔を上げると真剣な眼差しを一瞬した後にっこり笑って静香を見下ろしてくる。
「幸い俺と梗は同じ顔だし逆にラッキーだと思うよ?きっとどっちでもよくなるよ。みんなそうだった…」
「そんな、自分を貶める言い方しないで下さい…」
悲しくなって涙が目尻に溜まる。
梗月が言っていた、涼月は傷つきやすいって…。
二人とも似すぎてしまったために負わなくていい心の傷を抱えているんだと思った。
静香に二人の心を癒す術があるだろうか……?
既にあの3人の姿は無く。用意されていたたくさんのドレスたちも片づけられているようだ。
リビングの中央まで手を繋がれたまま行くと、立ち止まった涼月に恐る恐る声を掛けた。
「あの、涼月さん、私着替えますんで、ここもすぐ出た方がいいですよね?」
「…え?いや、今日はこのままここに泊まるよ。明日休みだしゆっくりしよう」
「えっ?」
考え事をしてたのか、遅れて反応した涼月の答えにびっくりした。
ここは着替えるために借りただけで家へ帰るものと思っていたのにそのまま泊まるとは。
なんだか急にドキドキして、繋がれた手を外そうとした。
その手をまたギュッと強く握ってこちらに向き直る涼月の顔が見れなくて俯いた。
「なに?照れてんの?ここにいても家に帰っても俺たち二人なのに?」
「や、そうなんですけど・・・」
にやりと笑って静香の腰に手を回し顔を覗き込もうとかがむ涼月と目が合ってしまった。
このホテルというシチュエーションがよからぬ妄想を掻きたてられて顔が熱くなる。
「ふふ、かわいい」
そんな静香を笑って頭を抱えるように抱きしめられた。
しばらくそのまま大人しくしていると、
「静香ちゃんはさ、やっぱり好きな人と結婚したい?」
「そ、そりゃもちろん…」
何を言い出すんだろう。
言い知れぬ不安が襲ってきてドキドキと胸が脈打つ。
「じゃあ、その好きな人と結婚できないときはどうしたらいいかわかる?」
「え?…わかりません」
「答えはさ…好きな人を想いながら違う相手に抱かれることだよ。諦めがつく…」
「そ、そんな身も蓋もない…」
困惑して緩んだ腕から顔を上げると真剣な眼差しを一瞬した後にっこり笑って静香を見下ろしてくる。
「幸い俺と梗は同じ顔だし逆にラッキーだと思うよ?きっとどっちでもよくなるよ。みんなそうだった…」
「そんな、自分を貶める言い方しないで下さい…」
悲しくなって涙が目尻に溜まる。
梗月が言っていた、涼月は傷つきやすいって…。
二人とも似すぎてしまったために負わなくていい心の傷を抱えているんだと思った。
静香に二人の心を癒す術があるだろうか……?