W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
気がつくと、見知らぬ天井、広いベッドの中。
ぼーっとした頭でここはベッドの上だと理解すると、ゆっくりと体を起こした。
シーツが落ち、その冷たい感触に自分が今全裸だということに気が付いた。
慌ててシーツを体に巻き付け周りを見る。
カーテンの隙間から薄日が差してる。
この部屋に涼月はいない。
私は涼月さんに襲われそのまま抱かれてしまったのだろうか…?
昨日の事は記憶があいまいで、体に残る違和感もない。
ふと、胸を見るとくっきりと噛まれた歯形が残っている、目を見張り凝視していた。
そこに、カチャッとゆっくりドアが開く。
「涼月さん……私…」
「おはよう、静香ちゃん。体は大丈夫?」
昨日の取り乱してた涼月は影形もなく、爽やかに微笑みながらベッドに腰かける。
「私昨日、涼月さんと…?」
先が言えずに口ごもる。
手を伸ばし静香の頬に触れる手に思わずびくっと反応してしまう。
「…そうだよ、昨日俺たちは愛し合った。これでもう君は俺のものだ」
ちょっと不機嫌そうに声を低め、そう言うと立ち上がり、クローゼットに向かい扉を開いた。
「そう、ですか…」
俯き、震える自分の身体を抱き締めた。
昨日涼月が言っていた、他の相手に抱かれれば諦めがつく…。
その通りなんだと思った。
諦めるしかない。諦めるしか…。
「今日はこれを着て。じい様に会って結婚の許しを貰う。出発は一時間後、さあ、支度して」