W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
「好きなのに、すぐ傍に居るのに遠い存在。僕は、彼女に恋い焦がれたまま3年間を過ごした。」
静香を見る梗月は悲しそうで、歪んで見える。
そっと頬に触れてきた手は温かくて目を閉じると涙が零れた。
「ごめん…、こんな話を聞かせて。でも、聞いて欲しいんだ。僕がどんなひどい男か知ってもらった上で君に聞きたいことがある。僕の話を聞いて、その答えを教えて欲しい…」
目を開けると、困ったような顔をして優しく涙を拭ってくれる涼月を見て、小さく頷いた。
ありがとうと掻き消えるような声を出して、手を離しひとつため息をつくと梗月は再び話し始めた。
---
大学はアメリカ。
日本を離れ彼女とも会わなくなって、心機一転、いろんな人種と関わるようになって、少しずつ彼女の事も忘れることができた。
相変わらず、梗月に彼女ができると涼月がちょっかいを出しすぐに別れることになったけど、それでもよかった。
梗月は本気で誰かを愛することが出来ないでいた。
涼月とアメリカで再会した奈津子がいればいい。
梗月の心の拠り所は二人だけだった。
だけどそれも束の間で、涼月と奈津子が付き合うようになって、急激に二人は梗月から離れていく。
実際はそんなことはなかったと思うが、取り残されたような喪失感に苛まされた梗月は二人を避けるようになった。
---
「今思えば、ただの独占欲。浅はかな子供の嫉妬でしかなかった。」
いつもは透き通るように綺麗な瞳が濁っていく…。
その瞳を切ない思いで見つめ続けた。
---
切っ掛けは、梗月の部屋に置いていった涼月の服を気づかずに着て、寮から出た時だった。
「涼ちゃん!」
「奈津子…」
「良かった涼ちゃん!仕事が早く終わったから会いに来てみたんだけど。これから暇?久しぶりにデートしよ?」
腕に絡まり、にこにこと笑いかける奈津子。
自分を涼月だと疑わないその目を見て、悪い感情が沸き上がってきた。
「ああ、いいよ。どこ行く?」
にっこり笑い。涼月と思わせたまま腕を組みそのままデートに繰り出した。
昔からそっくりな双子だったから周りが見間違うのをからかうように、涼月と二人で入れ替わってはいたずらをしていた。
奈津子も見分けができるとは言え、涼月の真似をすれば、ばれずに騙される方が多かったから見破られない自信はあった。
買い物を楽しみ、レストランでディナーを食べ、ホテルに入った…。
静香を見る梗月は悲しそうで、歪んで見える。
そっと頬に触れてきた手は温かくて目を閉じると涙が零れた。
「ごめん…、こんな話を聞かせて。でも、聞いて欲しいんだ。僕がどんなひどい男か知ってもらった上で君に聞きたいことがある。僕の話を聞いて、その答えを教えて欲しい…」
目を開けると、困ったような顔をして優しく涙を拭ってくれる涼月を見て、小さく頷いた。
ありがとうと掻き消えるような声を出して、手を離しひとつため息をつくと梗月は再び話し始めた。
---
大学はアメリカ。
日本を離れ彼女とも会わなくなって、心機一転、いろんな人種と関わるようになって、少しずつ彼女の事も忘れることができた。
相変わらず、梗月に彼女ができると涼月がちょっかいを出しすぐに別れることになったけど、それでもよかった。
梗月は本気で誰かを愛することが出来ないでいた。
涼月とアメリカで再会した奈津子がいればいい。
梗月の心の拠り所は二人だけだった。
だけどそれも束の間で、涼月と奈津子が付き合うようになって、急激に二人は梗月から離れていく。
実際はそんなことはなかったと思うが、取り残されたような喪失感に苛まされた梗月は二人を避けるようになった。
---
「今思えば、ただの独占欲。浅はかな子供の嫉妬でしかなかった。」
いつもは透き通るように綺麗な瞳が濁っていく…。
その瞳を切ない思いで見つめ続けた。
---
切っ掛けは、梗月の部屋に置いていった涼月の服を気づかずに着て、寮から出た時だった。
「涼ちゃん!」
「奈津子…」
「良かった涼ちゃん!仕事が早く終わったから会いに来てみたんだけど。これから暇?久しぶりにデートしよ?」
腕に絡まり、にこにこと笑いかける奈津子。
自分を涼月だと疑わないその目を見て、悪い感情が沸き上がってきた。
「ああ、いいよ。どこ行く?」
にっこり笑い。涼月と思わせたまま腕を組みそのままデートに繰り出した。
昔からそっくりな双子だったから周りが見間違うのをからかうように、涼月と二人で入れ替わってはいたずらをしていた。
奈津子も見分けができるとは言え、涼月の真似をすれば、ばれずに騙される方が多かったから見破られない自信はあった。
買い物を楽しみ、レストランでディナーを食べ、ホテルに入った…。