W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
終始ご機嫌だった奈津子はひとつも梗月を疑うことはなかった。
それから、時々奈津子と会うようになり、さすがに何度も会ううちに梗月じゃないかと疑われることもあったが、「俺を信じられないの?」というと首を横に振る奈津子にホッとした。
騙している罪悪感はあった。
だけど、いつも涼月は梗月の彼女を誘惑し、別れさせられていたから、腹いせの気持ちも少しはあった。
涼月もかなり遊んでいたから、奈津子の事も本気ではないと思っていた。
だけど、デートの帰り際、
「涼ちゃん、結婚はいつにする?涼ちゃんの大学卒業と同時じゃ早いよね?ちゃんと社会に出て仕事してからの方がいいよね?私ももう少しこっちで頑張りたいし」
「え?」
にこにこと嬉しそうに話す奈津子に愕然とした。
まさか、涼月と奈津子は結婚の約束をしているとは思わなかった。
涼月は本気なのか…?
「どうしたの?涼ちゃん」
「あ、いや…結婚の事はまた今度話そう」
「そうね、じゃ、またね」
奈津子から別れのキスをしてきてそれを受けた。
「な、奈津子!梗!何してんだっ!」
叫び声に振り向くと、そこには涼月と前澤さんが立っていた。
ズカズカと近づいた涼月は乱暴に奈津子の腕を取り問い詰める。
訳の分からなくなった奈津子は取り乱し、どっちでもいいと叫び逃げて行った。
「梗、これはどういうことなんだっ!」
梗月の胸ぐらを掴み凄む涼月。
間に割って入ったのは前澤さんだった。
言い訳なんてできなかった。
涼月の取り乱し方を見たら、奈津子に本気だったんだと感じた。
いくら奈津子は悪くない、全部自分が悪いんだと言っても涼月は耳をかさなかった。
涼月と奈津子はそのまま別れ、自棄になっている涼月の様子を間近で見ていた梗月は、自分の過ちが取り返しのつかない事態を招いたのだと思い知らされた。
---
「僕から離れていく二人嫉妬にして、繋ぎ留めておきたくて…、僕は愚かなことをして二人を引き裂いてしまった。」
「梗月さん…」
酷いことをしたと聞いても、自分を責めてるような梗月の苦しそうな顔を見てられなくて、俯きながら膝の上にある手を握った。
ふうと息を吐いた梗月は静香の手を握り返した。
「少し、外の空気を吸おうか。ここからの景色は絶景なんだ」
かすかに微笑むと立ち上がり、手を繋いだままベランダに出た。
それから、時々奈津子と会うようになり、さすがに何度も会ううちに梗月じゃないかと疑われることもあったが、「俺を信じられないの?」というと首を横に振る奈津子にホッとした。
騙している罪悪感はあった。
だけど、いつも涼月は梗月の彼女を誘惑し、別れさせられていたから、腹いせの気持ちも少しはあった。
涼月もかなり遊んでいたから、奈津子の事も本気ではないと思っていた。
だけど、デートの帰り際、
「涼ちゃん、結婚はいつにする?涼ちゃんの大学卒業と同時じゃ早いよね?ちゃんと社会に出て仕事してからの方がいいよね?私ももう少しこっちで頑張りたいし」
「え?」
にこにこと嬉しそうに話す奈津子に愕然とした。
まさか、涼月と奈津子は結婚の約束をしているとは思わなかった。
涼月は本気なのか…?
「どうしたの?涼ちゃん」
「あ、いや…結婚の事はまた今度話そう」
「そうね、じゃ、またね」
奈津子から別れのキスをしてきてそれを受けた。
「な、奈津子!梗!何してんだっ!」
叫び声に振り向くと、そこには涼月と前澤さんが立っていた。
ズカズカと近づいた涼月は乱暴に奈津子の腕を取り問い詰める。
訳の分からなくなった奈津子は取り乱し、どっちでもいいと叫び逃げて行った。
「梗、これはどういうことなんだっ!」
梗月の胸ぐらを掴み凄む涼月。
間に割って入ったのは前澤さんだった。
言い訳なんてできなかった。
涼月の取り乱し方を見たら、奈津子に本気だったんだと感じた。
いくら奈津子は悪くない、全部自分が悪いんだと言っても涼月は耳をかさなかった。
涼月と奈津子はそのまま別れ、自棄になっている涼月の様子を間近で見ていた梗月は、自分の過ちが取り返しのつかない事態を招いたのだと思い知らされた。
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「僕から離れていく二人嫉妬にして、繋ぎ留めておきたくて…、僕は愚かなことをして二人を引き裂いてしまった。」
「梗月さん…」
酷いことをしたと聞いても、自分を責めてるような梗月の苦しそうな顔を見てられなくて、俯きながら膝の上にある手を握った。
ふうと息を吐いた梗月は静香の手を握り返した。
「少し、外の空気を吸おうか。ここからの景色は絶景なんだ」
かすかに微笑むと立ち上がり、手を繋いだままベランダに出た。