W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
手を引かれ、ベッドルームのあるメゾネットの2階へと上がった。
ダブルベッド二つと真ん中に棚とライトがあるだけのシンプルな部屋。
上を見ると、天窓から降ってきそうな星空が見える。

上を向いたまま立ち止まった静香に、振り返り様子を窺う梗月。

「静香…?」

「梗月さん…見てほしいものがあります…」

上へ向けてた目を梗月に向け、徐にベルトを解き、肩をはだけさせストンとバスローブは床に落ちた。
バスローブの中はもちろん裸。
恥ずかしかったけど、今の自分を見てほしかった。
目を見開き、何も言わない梗月の目線はやっぱり右胸の歯型に注いでいた。

「私、昨日涼月さんに抱かれました…。これがその証拠です。私は、梗月さんを想いながら涼月さんに抱かれたんです…。梗月さん、それでも私の事、愛してると言ってくれますか…?」

涙が零れそうなのを我慢して、赤い肌に青くくっきりと残る歯型を撫で梗月の言葉を待った。
固まっていた梗月はふっと目を背け、手が握り拳を作っているのが見えた。

やっぱり、涼月さんに抱かれた私を許してはくれない…。

そう思って下を向いた時、暖かな温もりに包まれ抱き締められていた。

「ごめん…、やっぱり僕は君を傷つけた。僕が不甲斐ないばっかりに…」

抱きしめる腕が震えていた。

「梗月さん…醜い歯型なんてついてる女なんて抱けませんよね…」

我慢してた涙が零れた。
顔を上げ少し離れた梗月が頬に触れ涙を拭う。
その手が歯型のある胸にそっと触れた。

「醜いわけがない。君は美しいよ。…涼月に抱かれて、怖くなかった?」

「こ、怖かったです…。自分が自分で無くなってしまうみたいで、梗月さんが忘れられなくて…」

こみ上げる涙が次から次へと零れ落ちる。

「ごめん…怖い思いをさせて。」

なぜ、梗月が謝るのだろう。かぶりを振って否定した。

「僕に…、抱かれるのは怖い?」

目を上げると不安そうに眉をひそめている。

「怖くありません…。梗月さんが私から離れていくことの方が怖い…」

そう言うときつく抱き締められて、肩に顔をうずめ、耳元で囁やかれた。

「離れてなんか行かない。静香、愛してる。君の全てが欲しい…」

「ううっ、梗月さん!」

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