年下の部下がぐいぐい押してくるんだけど!?
照れたように笑う大宮に、胸がぎゅっと締め付けられた。

……そうか。
大宮はあのころの私の仕事、褒めてくれるんだ。

小売店、一軒一軒を大事にする私のやり方は、当時の同僚たちには莫迦にされた。
時間の無駄だって。

……ただひとり、あの人を除いて。

確かにそういうやり方は時間がかかったし、残業も多かった。

けれどそれが実を結び、いまの課長という地位がある。

それに、同じやり方をしている大宮だって部内トップ成績という実績を作った。

そんな大宮に、プライドの問題で私の本当の理由を話さないのはフェアじゃない。

「あのな、大宮。
……私、この年になるまで誰とも付き合ったことがないって言うと……引くか?」

「はい?」

大宮の目がレンズの幅一杯一杯まで見開かれ、瞳は点になった。
< 16 / 26 >

この作品をシェア

pagetop