年下の部下がぐいぐい押してくるんだけど!?
口だって、間抜けにも半開きになっている。

「だから。
いままで誰とも付き合ったことがないんだ」

「それってまだ処……ごふっ」

恥ずかしいことを口走りそうだった大宮に思いっきり肘鉄を食らわせた。

大宮は腹を押さえて悶絶しているが、……そういうのは恥ずかしいんだって。

熱い顔ですっかり温くなったビールを喉に流し込む。

「そういうわけで、男と付き合うのが怖いんだ。
だから、誰とも付き合うつもりはない。
おまえには悪いが」

……いままで。
たった一度しか、人を好きになったことはなかった。

それこそ、大宮が私を好きになってくれた当時の、……上司。

私のやり方を唯一褒めてくれた人。
でも、その人はすでに結婚していて、私は自分の気持ちをひた隠しにした。
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