年下の部下がぐいぐい押してくるんだけど!?
課長昇進が決まったとき、この店に連れてきてくれたのもあの人だった。

最初で最後のふたりっきり。

なぜか「ごめん」とあやまられた。

もしかしたらあの人は、私の気持ちに気付いていたのかもしれない。

帰って泣いたことを覚えている。

きっと、あれが最初で最後の恋だと思っていた。

なのに、いま。

「理由はわかりました。
でも、俺は柏原課長の正直な気持ちが知りたいです」

人差し指でブリッジを押し上げて眼鏡の位置を直し、大宮が迫ってくる。
真剣な眼差しにごくりとつばを飲み込んだ。

「怖いから付き合わないなんて断る理由になりません。
重要なのは好きか嫌いかってことです」

「わ、私は」
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