ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】
ナディアは、僕や拓巳とはまた違った意味で、恋人を切らしたことがない奴だった。
とにかく惚れっぽいんだ。
少しでも好みの相手を見つけると、すぐその気になる。
彼女がすごいのは、ほぼ高確率で狙った相手を落としてしまうってこと。
相手がゲイだろうとストレートだろうと、関係なく。
だが、長続きはしない。
たいてい相手が彼女の愛を重たく感じてしまい、去っていく。
その不毛な恋愛遍歴をよく知っているだけに、
今回もいつまで続くかと心配してたんだけど……
「一日離れてたんだもーん、エネルギーチャージさせてよぉ」
「だから、くっつくなっ! 動けないだろう、邪魔だっ」
「えーもー喜んでるくせにー。素直じゃないんだからぁ」
差し入れのワインボトルをテーブルにそっと置いて。
嬉しい気持ち半分、羨ましい気持ち半分で、いちゃつく2人を眺めた。