ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】
いきなり肩をすぼめて笑い出した僕を、気味悪そうに2人が見つめてる。
「どうしたんだよ、お前……」
「ごめんごめん、でも大丈夫。わかったから」
「わかったって、何がよ?」
「実は飛鳥にさ、内緒にしてることがあって」
基本的にはメールでのやりとりだったけど、たまに自宅で担当者からの電話をとったりしたこともあったから……
何かを隠されてるって、飛鳥が気づいてもおかしくない。
それで彼女が不安に思ったなら申し訳ないけど。
こればっかりは譲れないな。
くすくす、笑いを堪えながら、2人に僕が連絡を取っている店の名前を告げた。
うちのクライアントでもあったから、そこがどういう類の店かは、2人ともよく知っていて。
「なんだ……そういうことか」
拓巳の肩から一気に力が抜けていく。
心配させてしまったみたいで、悪かったな。
「サプライズなのね。素敵ねえ。うちのダーリンにもそういうとこ、見習ってほしいわ」
ナディアはうっとりと言ったが、すぐに「でもね」と続けた。
「聞いてよ、彼ったらこの前なんと……」
拓巳とチラリ、視線を交わす。
愚痴、からのノロケ。彼女のこれが始まると結構長いんだ、とこっそり2人で吐息をついていると。
BBBB……
ポケットの中で携帯が震えた。
飛鳥からのメッセージだ。