甘い罠に囚われて
前よりも通勤時間が少し掛かるようになったけどその分、同じ家賃でも広い部屋を借りることが出来た。

私はあのスポーツ紙一面を飾ったKAKERUの記事を見てから直ぐにあの部屋を出た。

引っ越しって大変って思ってたけど目的がハッキリしていると意外にもスムーズに進めることができた。

最低限の荷物だけ運び後は全て処分。

KAKERUがつけていた香水の匂いがほのかに残るベッドもソファも処分した。

もう二度と会うことはない。

冷静になればなるほど分かる。向こうはテレビの世界の人。私達一般人とは住む世界が違う。

仕事帰りの電車で揺られていると吊りビラの見出しが目に入る。

そっかぁ。あの舞台、大成功したんだ。良かった。良かった…

心からそう思うのに気が晴れないのはきっと引っ越し疲れのせいか?

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