甘い罠に囚われて
「ちゃんと話すから……このまま聞いて。」

耳の横に響くKAKERUの声はテレビに出ている時よりほんの少し低くて落ち着きをもたらしてくれる。

と同時に高鳴る胸の音が響きそうで……ん?私だけじゃない?

KAKERUの心音も私のと重なる。

「ごめん…ちゃんと話すべきだった。格好つけてた。年下だけど余裕あるとこ見せたくて…素直じゃなかった。俺、ダサすぎ。」

KAKERUに抱きしめられている腕からじわりと温もりが伝わってくる。

「好きなんだ…本当に一目惚れ。あの時、コンビニで助けてもらった時、下心あるんじゃないのかって疑う俺に興味ないってハッキリ言われて目が覚めた。いつだって周りの人間にチヤホヤされてたし。なのに話までちゃんと聞いてくれて……それが心地よかったんだ。それですっかり心奪われた。」

まるでドラマのセリフみたいだなってぼんやり考えていると、

「ねぇ、俺の事なんてなんとも思ってないでしょ?」

いきなり顔を覗き込まれた。

「っ…そ、そんな事……」

なんとも思わないわけないじゃない。

「俺の事、意識して…」

知らぬ間に頬に伝ってた涙をKAKERUの唇が優しく吸い取ってくれる。

とてもじゃないけどこんな状況、意識せずにいられないよ。

「キス…してい?」

て言うかもうしてるじゃない……

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