名もない詩集
毎晩見る夢は
心臓に
爪を立てられるような
辛い夢ばかり

いつしか
指輪が回りだして
夢を
見ている間に
指から抜ける

胸を焦がすような
悲しい別れをした人が

夢で私に
もう一度
会いに来る

叶わない
夢なのに

何とか
あきらめた
自分の選択肢を
何とか変えたくて
夢の中もがくけど

あなたは
やはり
手に入らない

夢の中でも
もう一度
誰かのものになり

私は
胸を焦がし
泣くけれど

もう一度
別れを
味わうだけ

目が覚めたら

それが誰か
名前さえも
思い出せないのに

胸の痛みだけが残る

もう一度
遠い記憶の向こうに
封印される

気がつけば
また
冷たい冬で

私は一人
時の流れに
とり残されて
戸惑うだけ





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