行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
暴君ハルトは、俺様口調に反して蕩けるように優しくさくらを抱いた。

さくらが初めてだと気づいた後は、それ以上に丁寧に・・・。

ああ、桃子が言っていた、自分に足りない色気とはこれだったんだな・・・。

と、思考を乱されながらもさくらにとっては感動的な体験だった。

愛するって、愛されるって何だろう?

少なくとも、波留斗とさくらの間にそんな言葉はない状態で二人の身体は繋がった。

波留斗のことは人として尊敬しているし、男性としても魅力的だとは思う。

他人のものは奪うつもりはないのに、廣瀬美憂が波留斗を好きだと知っていて、応援するような言葉も口にしながら、さくらは波留斗に寄り添ってしまった。

「世の中、理屈じゃないんだ・・・」

「ああ・・・理屈じゃねえよ・・・」

波留斗はさくらのマンションのクイーンサイズのベッドの上で、さくらの頭を胸に抱き抱えて目を閉じて呟く。

この経験が明日のmirayをどう変えるのか、さくらは少しの不安と少しの期待を抱きつつ、深い眠りに落ちていった。

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