運命だけを信じてる

混乱する頭で、勝手に動いた手でジョッキを掴む。そして一気に煽った。


「動揺しました?」


「…私たち今日、知り合ったばかりですよね?さすがにその冗談は失礼ではないですか?」



嘘告白?高校生の時に流行った気がする。
告白して舞い上がった相手の反応を見て楽しむという卑劣な遊びだ。


まさか社会人になって、それも初対面の相手にからかわれるとは思わなかった。



「まさか。本気です」


「この冗談、つまらないです」


「だから本気なんだけど」


口調が砕けた。



「…百歩譲って、結婚しなくてはならない大そうな理由でもあるのですか?」


空になった2つのジョッキのお代わりを注文する気にはなれず、小牧さんから視線を逸らす。


テーブルの向かい側にいる相手は表情を崩すことなく、真面目な顔をしているものだから、頭が混乱してくる。



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