運命だけを信じてる

それからも私と小牧さんは相変わらずだった。
教育係と新人のままーー


季節は冬となり、12月に入ってしまった。



「おまえ、今年もひとりで寂しいクリスマスだな」


「はい?」


時は昼休み。
百歩譲って業務中でないことは許すが、ほとんどの社員がお昼から戻って自席に居るタイミングでよくもまぁ、そんな鬼みたいなことを言いますね。


「昨年はひとりで街を彷徨い、どこも満席で店に入れずにコンビニ弁当だっけ?」


「ええ。そうですよ。どこもカップルで満席で!よく覚えてますね…」


事実なので仕方なく認めて、逢瀬先輩を睨みつける。


自分はどうせ!可愛い彼女と!!


「で?今年はどうするの?」


頬杖をつきながら片手でペン回しを始めた上から目線の逢瀬先輩はニヤリと笑う。


「まぁ聞かなくても分かるけど」


「分かるなら、聞かないで頂けます?」


「それなら、俺と、過ごそうぜ」


「…………はい?」


逢瀬先輩の発言に、反応するタイミングが遅くなる。またからかって…


「彼女、今年は出張先のロスで過ごすことになりそうなんだ。つーわけで、俺もひとりだから!寂しい者同士、な?」


きらきらと眩しい笑顔を向けられる。

ああ、不覚にもときめかずにはいられない。


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