運命だけを信じてる
だから翌日、給湯室で珍しく珈琲を淹れていた逢瀬先輩を呼び止める。
「チキンと、ケーキと!美味しいシャンパンの飲めるお店をお願いします!」
「了解。プレゼントは?」
「プレゼント交換ですか?いいですね!3000円以内で!後、残るものは彼女さんに悪いので!消費するものでお願いします!」
せっかく誘ってくれたんだ。
久しぶりに誰かと過ごすクリスマスを満喫しよう。
「分かった。小牧は誘わないのか?」
「…既に予定があるかもしれないですし。迷惑かと」
「好きって証明するんじゃなかったのか?」
星崎課長と小牧さんの自宅を訪問した一件は包み隠さず、逢瀬先輩に話した。課長へのチャンスを作ってくれた逢瀬先輩の好意を台無しにする結果になってしまったことも詫びた。
"おまえが考えて出した結論ならそれでいいんじゃね"とのことだ。軽い返事が、有り難かった。
「実はあまり行動に移せてなくて…会えるのは会社だけですし、好き好き言い過ぎても…周りの目もありますしね」
「誘ってみるだけ、誘えば?俺はどっちでもいいが」
んっ、と飲み干したカップを押し付けられ、反射的に受け取ってしまった。
小牧さんのクリスマスの予定を…考えないようにしていた。
彼女ができたとは聞いてないけれど、そもそもできたとしても私に報告する義務はないし。
ーー怖くて、聞けない。