運命だけを信じてる
「ーーそういうわけでして、申し訳ありません!」
廊下ですれ違った逢瀬先輩と空いている会議室に入り、昼間のやり取りを話すと。
「了解」
あっさり、承諾された。
「すみません。せっかくの逢瀬先輩のご厚意を無駄にするかたちとなってしまい…」
「まぁ、おまえがひとりなら可哀想だし?付き合ってやろうとは思ってたけど。本音は、小牧のジェラシーってやつを引き出すために、敢えて誘っただけだから」
「はい?」
ジェラシーって?嫉妬?
「普通は嫌だろう。自分が好意を寄せてる相手が他の男と2人きりなんて。ただでさえムカつくのに、クリスマスとなれば余計にな」
会議室のテーブルの上に腰掛けた逢瀬先輩はニヤリと笑った。
「俺は賭けに勝ったわけだ」
小牧さんの言う逢瀬先輩の"意図"とはそういうことだったのか…。
本当にどこまで面倒見が良いんだか。
「店は予約していたから…もちろん2名でな。有り難く使え」
そう言って逢瀬先輩が携帯電話を取り出して、なにか操作をすると、今度は私の携帯が振動した。
「今、店の詳細を送ったから」
「ありがとうございます!」
「浮かれるのもいいが、まずは仕事に励めよ」
「はい!」
感謝の気持ちは、仕事で返そう。
そう強く思った。