運命だけを信じてる
クリスマスが近付くにつれて、街中がきらきらと輝いているように映る。
イルミネーションやクリスマス関連の装飾が綺麗と思えるか、くだらないと思うかはその時の自分次第だ。
少なくとも去年の私はイベントに躍らされる日本人を冷たい視線で見てきた。自分にはその幸せな時間が訪れないことを知っていたから。
でも今年は、正反対だ。
「来年も…綺麗と思えたらいいな…」
「はい?」
窓の外に広がる光を目で追いながら、思わず声に出していたようで隣りに立つ小牧さんが反応した。
「あ、いえ…」
たまたま帰りが一緒になり、同じ電車に乗った。と言っても、次の駅で私は降りなければいけない。楽しい時間ってどうしてこうもあっという間なのだろう。
営業部との合同打ち合わせは短時間でも無限に感じるのにな…ああ、交換して欲しい…。
「クリスマスプレゼントなにが良いですか?」
「頂けるのですか?私も用意します!」
「僕はなにもいりませんよ」
「なにも…ですか」
あまり考えないようにしていたけれど、小牧さんはお金持ちだ。私の贈るものなんて…
あ、そうだ。
「今度、手料理食べてもらえますか?今、母から学んで、やっと…ほんの少しだけまともな料理になっていると言いますか」
もしかしたら手料理は喜んでくれるかな。