運命だけを信じてる
「良かった。前山さんが実家暮らしで」
「はい?」
「送り狼にならずに済む」
「……」
「クリスマス、前山さんのお宅にお邪魔してもいいですか?」
「も、もちろんです」
逢瀬先輩が予約してくれたレストランは素敵だったけれど、自宅でまったり過ごすクリスマスも楽しそう…いや、小牧さんと一緒に居れるのなら、どこであろうといいのだ。
「それじゃぁ前山さんのお母さんの分のクリスマスプレゼントも考えないと」
「そんな気を使わないでください!母には……私の"好きな人"って、紹介します」
「好きな人ですか。しつこいくらい僕を追い掛けると宣言した割に、全然、強引でないから心配してました。やっぱ課長の方が…」
「強引って!そりゃぁ小牧さんのように、キスしようとしたり、デートに誘ったりはできません…私にはハードルが高すぎます」
「でも会社の正面玄関前で寒空の下、僕を待っててくれましたよね」
「気付いてましたか…」
結局、同期と帰る小牧さんを呼び止められなかったけれど。
「本当に、星崎課長より僕が好き?」
「小牧さんが好きです」
「信じられないです…」
以前の私と、同じだね。
「例え小牧さんが私を受け入れてくれなくても、勝手にずっと想い続けますから!いつか私の想いがホンモノだと、信じられる日がくると思いますよ」
「それまで誰とも結婚しないのですか?」
「しません」
小牧さんの目を見て断言する。
憧れていた結婚。
今の私は例え結婚できなくても、後悔はしない。
「そうなんですね。僕は早く前山さんのウエディングドレス姿が見たいですけどね」
意地悪ですよ、小牧さん。