運命だけを信じてる
クリスマスイブ、前日。
「さぁ行きましょう。お店は予約しておいたわ」
聞き慣れない高い声と、コツコツとヒールを響かせて歩く彼女に続く。
事の始まりは2時間前。
飛鳥さんから社内メールが届いた。
内容は完全プライベート。
"今夜、飲みましょう"
簡潔なメッセージを二度見し、思わず声に出しそうになり唇を噛む。
今夜?って今日?
いくらなんでも急すぎでは…。
隣りの席に助けを求める視線を投げたものの、小牧さんは外出中だ。研修に行って、そのまま直帰予定。こんな時に…
逃げるわけにも行かず、ましてや小牧さんの妹さんを蔑ろにもできず、結局、行くと返事をしてしまったのだ。
辛うじて毛玉ができていないだけましの地味なセーターと紺色パンツ姿の私と、寒さにも負けずワンピースを着こなす飛鳥さん。妙なツーショットで、これまた高そうなバーに入った。
本当に…どうしよう。
「そう構えなくてもいいわ。だって、私はあなたの味方だもの」
そう言って微笑む彼女の言葉の真意はいかに…。