運命だけを信じてる

私にはとてもでないが着こなせない紅色のワンピースと、桃色のカクテルを飲む飛鳥さんからは色気が漂う。

場違いな私は空のように綺麗なブルーの液体を眺めているだけだ。

ビールや焼酎は大好きだが、お洒落なアルコールは久々で適量が分からない…酔わないようにしないと!


「真矢を選んだ理由は、やっぱりお金かしら。星崎課長より優っているところなんて、それくらいじゃない?」


「……」


どんな反論をしようとも、次から次へと嫌味を投げかけられるだけだ。聞き流すことは容易いけれど、彼の大切な妹さんだから認めてもらいたい。分かって欲しい。


「言っとくけど、うちはそんなに甘いものじゃないわよ。父はきっと無理矢理にでもあなたたちを別れさせようとするわ」


「ですよね…」


「けど、真矢なら上手く切り抜けるでしょうね。超優秀な弁護士の母親似で頭がキレる男よ。そしてそれは父も認めている。だから真矢に会社を継いで欲しいと望んでいるの」


…聞いたこと、ないな。小牧さんの口からお母様のこと。



「東家に嫁入りしたいと、よく思えるわね。真矢の母は真矢を置いて出て行ったし、私の母も同じ。あんな息苦しい家から出たいと思うことは普通よ。だから私も真矢も母親を恨んではいないわ」


これも初耳。
仕方ないよね、思いが通じあってからまだ日が浅いもの。

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