運命だけを信じてる
「今日はお招きありがとう。これ、手土産です」
「小牧さん…か、髪……」
小牧さんのトレードマークと言えば、金髪だった。傷んでいないさらさらな明るい髪。
最初は驚いたけれど、今は小牧さんらしさとして受け入れていた。
「うん、あなたの…」
「あら、いらっしゃい」
小牧さんの言葉に上乗せされた、母の声に振り返る。
「小牧真矢と申します。今夜はお邪魔致します」
「有希の母です。さぁ上がってください」
母に連れられて廊下を歩く小牧さんは、違和感のない黒髪だった。
「あなたのお母様に会うんだ。金髪だと、悪い印象を与えかねないから」
そっと耳打ちされた言葉に、彼の気遣いを知った。