運命だけを信じてる

小牧さんは全てのお皿を空にしてくれた。
それがなによりも嬉しい。

少し歪な形をしたケーキも美味しいと何度も言ってくれた。


「あの、小牧さん。私からのプレゼントも受け取ってもらえますか」


「あるのですか?」


「大したものでないのですが…」


綺麗にラッピングされた袋を小牧さんに渡す。


「…あ、指輪?」


「女性から贈るなんて、おかしいと思いますけど。その、他の女性にもアピールできますし…た、ただの私の醜い嫉妬心からなのですが…」


恥ずかしい。
ただでさえ目立つ小牧さんだから、指輪があったら少しは安心できるかな、なんて。自分の都合で選んでしまった。


「これ付けてたら、僕は前山さんのモノってことですよね?」


「はい…なんか、すみません」


「あなたに妬いてもらえることが、凄く嬉しいです。指輪を付けることであなたが安心するのならば、ずっと付けてますよーーまぁ指輪がなくとも、僕はあなただけのモノですけどね」


今度は男らしい大きな手を差し出され、震える手で指輪を通した。


「ありがとうございます。大切にしますね」


指輪という束縛の品を、小牧さんは嫌な顔ひとつせず、それどころか優しい笑みで受け取ってくれた。

その微笑みに、また私は救われたのだ。


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