運命だけを信じてる

「小牧さん、…っ、んん」


"好き"という言葉は、彼の唇によって塞がれた。

容赦のないキスが、甘い音を漏らす。






小牧さんと出逢ってから、今が一番幸せだ。

小牧さんが私に入社初日から声をかけてきた理由も、彼のことも少しだけ知ることができたからーー一迷いも不安も、消えた。




「ユウキ、あなたが好きだ」


唇を離した小牧さんは、私が言いたかった言葉を私より先に口にした。
おまけに、初めての名前呼びだ。



苦しいほどに胸が締め付けられる。


小牧さんの"好き"と、私の"好き"のどちらが多いとか、重いとか。
恋する度に測ってきたけれどーー今はもう、どっちでもいい。

例え私の"好き"が彼の2倍であっても、小牧さんなら受け止めてくれる。もうなにも怖がらなくていいんだ。


この恋は、今までとは違うーーそう確信した瞬間だった。


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