運命だけを信じてる
「良いですね。今度は僕も誘ってください、先輩」
「おうおう。小牧くんはお洒落な店とかいっぱい知ってるんだろな」
「知りませんよ。一緒に行く人もいないですし」
「そうなの?良かったわ。俺、その辺の居酒屋ばっかだから」
「その辺の居酒屋で、僕も十分です」
さすが逢瀬先輩。
もう小牧さんと打ち解けた様子だ。
何故、逢瀬先輩は営業部門ではなく事務処理を専門とした管理部門に所属しているのか不思議に思うことがよくある。
会話上手で、お酒と人付き合いが好きな彼は営業という仕事に向いていると思う。
いくら二日酔いでもワックスで固められた黒髪と、シワひとつないワイシャツを着込み、隙は見当たらない。
学生時代はスポーツをしていたようで、筋肉質で身体が大きいせいでより小顔に見える。
キリッと整えられた眉と少しつり気味の目は、少しきつい印象を与えるが、話してみれば良い人でそのギャップもまた魅力のひとつである。