運命だけを信じてる
時計の針が夜9時を刻んだ。
よし、帰ろう。
残業しても終わらない仕事の山に肩が凝るが、新人の小牧さんと二日酔いの逢瀬先輩以外はみんな残っていた。
小牧さんが入って11名の部署となったが、総務から経理、庶務と多岐に渡る業務を担っている。私と逢瀬先輩は主に会議や社外向け資料を作成する担当だ。
私の2倍の仕事抱えている逢瀬先輩はメリハリのある仕事をしていて、その優秀さにいつも驚かされている。
「お疲れ」
「お疲れ様です」
連日の出張で疲れているはずの星崎課長はパソコンから顔を上げて笑ってくれた。
ああ、その笑顔で1日の疲れが吹き飛んだ気がする。
緩んだ頰をそのままに事務所を出た。