運命だけを信じてる
デート。それは懐かしい話だ。
もう5年間、恋人のいない私の休日は大抵ヒマだけど、だからと言って小牧さんと会う理由にはならない。
「ごめんなさい。行けません」
「他に予定が?」
「いいえ。でも行く理由が見当たりません」
「昼間はキスしても良いと許可したくせに、デートはダメなんて。その基準を教えて欲しいですね」
意地悪な小牧さんの発言に、少し苛立ちを覚えた。
「一度キスして解放されるなら、それでも良いと思った。でもあなたのために貴重な休日を潰されることは無理です」
キスは一瞬だけど、デートって洋服とか前日の肌のケアとか…色々と気を使う。女子は準備に時間がかかるものなのだ。
「…それじゃぁ、デートしてくれたら、今週はもう前山さんの嫌がることしないと誓います。良い後輩になりますよ」
「…あなた、会社に遊びに来てるの?」
彼の軽はずみな発言に、さらに苛立つ。
ふざけないで欲しい。