運命だけを信じてる
強い風が吹き、小牧さんは我に返ったように口を開いた。
「あなたはーー」
風に髪を乱されるが、構わずに続きを待つ。
「面白い人ですね」
「は?」
想定外の言葉と、破顔した彼がそこにいた。
整った顔を歪ませて子供のように無邪気な表情をした彼は、私の髪に触れた。
「ますます好きになりました」
乱れた髪を整えてくれている手を払うことができずにジッとしていた。
「…どうして、私なの。あなたとデートしたい人は沢山いるはずです」
「他の誰かでなく、前山有希さんがいいんです。遊びでなく、本気で好きになって欲しいです」
どこで。
いつ。
彼は私を好きになったのだろう。
そもそも彼は私を好きなのだろうか。