運命だけを信じてる

会話の内容がとても気になるが呼ばれてもいないのに乗り込む訳にもいかず、パソコンの電源をつける。

耳を澄まして呼ばれることを待つが、声を荒げることもなく2人は冷静に話しているようだった。


きっと、星崎課長は私の言動に呆れているだろうけれど、それでも怒号を響かせたりしない。いっそ怒ってくれた方が楽なんだけど。


「前山、ちょっといいか」


「はい」


オフィスに静かに響いた声に頷き、立ち上がる。





そして2人の前に立ち覚悟を決めた時、

「小牧がーー」


星崎課長は勢いよく私の肩を叩いた。



「もっと仕事量を増やして欲しいとのことだ」


「は?」


「おまえの残業する姿を見て、手伝いたいと申し出てくれたんだ。定時に帰れるような引き継ぎカリキュラムを組んでいたが、残業も視野に入れて倍のスピードで業務共有を頼む。それでいいな、小牧」


「はい」


静かに返事をした小牧さんと、今日初めて視線を交わす。


彼は優しい目をして微笑んでくれた。


私の心は、彼に対する罪悪感でいっぱいになった。


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