運命だけを信じてる

そして土曜日は晴天だった。
昨日はゆっくりお風呂に入って顔パックをした。いつもは時間がなくてセミロングの髪をおろしたまま出勤する。たが今朝は毛先をカールさせ、お気に入りの春らしいワンピースを着込み、私なりにお洒落をしたつもりだ。

精一杯、私なりにーー

ああ、そうか。
同じオフィスに好きな人が働いているというのに普段は手抜きをしている時点で、負けているんだ。

まぁいくら着飾ったところで星崎課長は私を見てはくれないことは分かっているけどね。



南口の改札を出ると、すぐに小牧さんの姿を見つけた。

約束よりも15分前なのに、既に待っていてくれたようだ。



「小牧さん!お待たせしました」


「待ってないですよ。今来たところです」


「そんなドラマみたいなカッコいい台詞を…」


「はいはい。お腹は空いてますか?」


「空いてます!」


そう張り切って言ってみたものの、久しぶりのデートでものすごく緊張しています。


相手はTシャツと紺色のパンツというラフな格好のくせして、そこにいるだけでオーラを感じるし、金髪がより一層彼を若く見せる。


本当にモデルさんみたいだな。
そういえば前職のこと、聞いてなかった。
後で聞いてみようかな…雑誌のモデルだったりして。

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