運命だけを信じてる
小牧さんは学生時代にウエイターのアルバイトをしていたという洒落たレストランに連れて行ってくれた。
落ち着いた店内の窓際のテーブル席で彼のオススメの海老フライを注文する。
「前山さんは休日なにされているのですか?」
「うーん。友人も少ないし、家に居ることが多いです。近所をジョギングする程度かな」
この年になると同級生には子供がいて、会う機会も減った。彼女たちの幸せを素直に祝福してはいるけれど、私とは180度異なった人生を心のどこかで羨ましく思う自分がいる。
そんな後ろめたい気持ちを抱くくらいなら、ひとりで居た方が楽なんだ。
「インドアで、つまらないでしょ」
「いいえ。僕はありのままの前山さんのことが知りたいので。話してくれて嬉しいです」
「…小牧さんは?趣味とかあります?」
「なにもないです」
その答えは少し意外だった。