運命だけを信じてる

小牧さんは食後のコーヒーを注文すると、私を見た。


茶色がかった瞳とくっきりとした二重瞼。
その目力に吸い込まれそうになる。


「人を好きになることに理由なんていりますか?」


「…会った初日に結婚しようなんて言われて、正直、今でもあなたの言葉を疑ってます。私はからかわれているのだと、感じています」


「どうしたら信じてもらえますか?…気持ちを疑われたままだと、僕も辛い」


外からの光が反射して、金髪がキラキラと輝く。

そう、あなたは私にとって眩しすぎるんだ。


「突然信じろだなんて無理ですよ。愛や恋は時間をかけて育むものです」


「その時間をかけて、あなたを他の誰かに横取りされたらどうしてくれるんです?」


横取り?私を?
そんな非現実的な話をしに来たわけではないのだけど。


あなたが私のことをどう思ってくれていようと、私にはーー



「好きな人がいるのです。私、好きな人がいるの」


思い切って口にしてみたけれど、小牧さんは眉ひとつ動かさなかった。


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