運命だけを信じてる
「それでも諦められないのですね」
「はい」
「僕も同じです。前山さんのことを諦めません。
例え何度、フラれようとも」
湯気の立つマグカップを見つめる。
どうして私なのだろう。
私のことを好きになるような大きなきっかけなど、なかったはずだ。
「本当に分からない。どうして私なの?」
私はなにひとつ持っていない女なのに。
唯一、仕事だけは頑張って代わり映えのない日常を過ごしているだけだ。
「あなたが前山有希さんだからですよ」
「答えになっていません」
「僕らの運命を信じませんか?」
「そんなに乙女チックに見えます?こう見えて現実主義です」
もう放っておいて欲しいと言ったら、あなたを傷付けてしまうだろうか。