運命だけを信じてる
「飲み終わったなら、行きましょうか」
「はい。ここは私が…」
しまった。
失言を謝りに来たのに、時間だけが過ぎてしまった。
「俺に払わせてください」
「女性に支払わせることに納得いかないかもしれないけど、今日はこの間のお詫びのつもりで…」
「お詫びですか…」
声のトーンが低くなる。
間違ったことを言ってしまっただろうか。
「お詫びで今日会ってくれたのなら、それだけで俺は十分ですよ。お金まで出す必要はないです」
そう言って伝票を持って立ち上がった小牧さんはもう私を見なかった。