神志名社長と同居生活はじめました
「な、尚⁉︎ 何でここに⁉︎」

「あ、いや、その……」

視線をきょろきょろと彷徨わせて、何だか決まりの悪そうな顔をする尚。


「……とりあえず、中入っていい?」

「えっ⁉︎ 駄目! 駄目に決まってるでしょ!」

元カレを家に入れたくないという単純な気持ちもあるけれど、私の家には社長の私物もある。絶対に入れられない!


「そう……。じゃあ、ここでいいけど」

「何?」

「あのさあ、お前、まだ俺のこと好き?」


……は?

何を言われているのだろうか。いまいち頭の整理が追い付かない。


尚は話を続ける。

「俺が涼音と別れたこと、知ってる?」

「知ってるよ。ネットのトップニュースにもなってたもの。日本人の四割は知ってるんじゃない?」

「そっか……」

しまった。さすがに今のは少し意地悪だったかもしれない……。


「尚。急にどうしたの? 私の家に来るなんて」

一応、話はちゃんと聞こう。
そう思って姿勢を尚へと真っ直ぐに正し、質問するけれど……


尚は、とんでもないことを言うのだった。


「……雅! やっぱり俺とヨリ戻して!」
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