砂時計が止まる日
学校を出てバイト先に向かった。
「遅くなりましたー」
私はそう言ってカフェの裏口から入る。
「ゆー、きたきた。
面談ってどんなお話だったの?」
真奈さんが厨房から控え室に入ってきた。
「進路の話です。
推薦で大学に進まないか、って。」
「え、ゆーって2年生よね。話が早くない?」
真奈さんの目が大きく開いた。
「伝統なんですよ、学校の方針として生徒会の優秀な生徒は特別枠として推薦で大学に進めることになっているんです。」
私が制服のリボンを外しながら言うと、真奈さんは興味深そうに頷いた。
「それで、どうしたの?」
「まだ決めてません。
元々白川学院の大学には進もうと思ってはいたんですけど、そこで推薦をもらって行くのが正解なのか、わからなくて。
きっとここで決めなくて指定校推薦って形にしてもきっと私は優遇される。
それで他の人が落ちるっていうのは不平等だし、かといって特別枠を設けてもらうのも違うかなって。」
そう、だから簡単に首は縦に振れない。
何が正解か、そんな答えはないだろうけれど、“正解”に近いと思われるものを見つけ出すのは私だけではムリだ。