砂時計が止まる日


「マスター、ラテ1つ。」



「ゆーちゃん、自分でやってみな。」



豆の匂いを嗅いでいるマスターはそう言った。



「大丈夫、十分上手なんだから、」



「っ、はい。」



私はマスターに軽く頭を下げてエスプレッソマシンに手を伸ばした。



何を描こうかと考えて、前にマスターと練習したものを思い浮かべながらミルクを泡立てる。



本来使うよりも少し固く作ったフォームドミルクをカフェラテの上にのせていく。



最後に形になったものにチョコソースで細部を作り、Thank you...♡と書いた。



「お待たせ致しました。」



私は形を崩さないようにそっと女性にカップを差し出した。



「これ、あなたが?」



「はい、スマートフォンのケースにネコがプリントされてたのでてっきりお好きなのかと...

お気に召しませんでしたか?」



私はミルクの入っていた容器をシンクに入れた。



「いえ、凄く素敵よ。

でもあなた、高校生じゃないの?」



「はい、高校2年生の17歳です。」



私は名札を見せた。



「ゆーって、名札があだ名って珍しいのね。」



「私、由羅っていうんですけど先輩店員さんの中に似た名前の方がいてわけるために、ゆーって呼ばれてるんです。」



私が笑うとパシャッとシャター音が鳴った。

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