砂時計が止まる日


「あ、私これから塾だからそろそろ行かなきゃ。じゃあね。」



荒木はしばらくするとそう言って帰っていった。



「普段、弟さんたちはご飯どうしてるの?」



「類はいつも野球だからお弁当持たせてるよ。

心菜にはなんかしら作り置き置いていってる。



まあうちは典型的な孤食だよ。」



うちは確かに新垣の家ほど家族が仲がいいとは言えない。

でも食卓はいつも全員で囲む。



何の違いだろうか。



部屋の外でインターホンが鳴った。



「大丈夫、類が出てくれるから。」



顔を上げた僕に新垣がそう言う。



やがて、ドタドタと慌てて階段を駆け登る音が聞こえてきた。



「本当にいいの?」



「大丈夫、誰かはおおよそ予想がついてるから。」



そう余裕を持った新垣とは真逆に部屋のドアがバンと開け放たれた。



「やっぱ先生だったんだ。」



そこには見たことのない40代と思われるの女性が立っていた。



「由羅ちゃん、話があるの。」



彼女は僕の存在など気にも留めず、新垣のことを強く見た。

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