砂時計が止まる日
「ねえ先生。一応来客中なんだけど。」
新垣の言葉で“先生”は僕のことを見た。
「白川蓮君?」
「そう、ですけど...」
その人は今度は僕を食い入るように見る。
その人は僕のことを知っているようだが、僕は彼女に見覚えはない。
「で、話って?」
「このこと。」
その人は手に持っていた封筒を見せる。
僕は聞いてはいけないことかと思い、立ち上がろうとした。
「いいよ、白川君。
そろそろ話さなきゃ、って思ったし、いい機会だから聞いて。」
新垣はいつも以上に落ち着いて見せる。
僕は今まで座っていた所にもう一度腰を下ろした。
「で、結果はどうだったの?」
「おかしいのよ、最近は全く問題がなかったのに。」
雲を掴むような話に僕は静かに耳を傾ける。
“そう”と新垣が静かな声で答えた。
「ちゃんと約束は守ってるの?」
「もちろん。
ムリはしてないし、ちゃんといつも通り飲んでる。
確かめるならどうぞ。」
新垣はブランケットを羽織り直しながら机の上を指さした。
「ゴメンね、白川君。
なんだかよくわからない話だよね。
でも、頭のいいあなただから、きっとわかるはず。
ねえ、先生。程度としてはどんなぐらい?」
「そこまで悪くはない。
今と同じぐらいの時に使ってたものは持ってきたから置いていくわ。
まだ要経過観察って感じだからこれから毎日通ってね。」
そう、言葉の端々に感じる違和感。
それを全て結びつけるのはたった1つの言葉。