砂時計が止まる日
それは多分、彼女が
“「病気」”
だということ。
「病気なの。
きっと、白川君は分かってたと思うけど。」
病気と言われれば全て納得がいく。
季節に関わらず長袖を着ていることも飲んでいる紅茶がいつもホットなのも。
カーディガンの袖から覗くあの細く白い腕も荒木が異様なぐらい過保護なことも。
“みんなにお礼がしたい”という言葉の意味も、目の中にある消えてしまいそうな光だって...
何もかも納得がいく。
「私、生まれつきの病気持ちでちっちゃい時は入院してたんだ。
治癒証明はもらって何年も経つしもう大丈夫なんだけど、一夏はその頃からの友達だからどうしても忘れないんだろうね。」
新垣はずっと苦しんでいたのだろう。
今も薬を飲み続けたり、少し激しく動くと体が持たなかったり、やれることの制限だったり。
それを1人で抱えながら生徒会長をしてバイトして、家事をして。
だから、時々あんなに苦しそうに笑うんだ。
「ちなみにさっきの女性は荒木璃々花さん、私の主治医の先生で一夏のお母さん。」
あれだけ荒木に伝わっているかを確認していた理由がわかった。
「なんていう病気?」
「知らないの。
聞かないって決めてるから。」
新垣がそう視線を落とした先には砂が全て下に落ちた砂時計があった。