砂時計が止まる日
由羅side
私は病気だ。
物心ついた時から病気だった。
一番昔の記憶も病院のベッドの上。
もう何年も前に治癒証明をもらって今、ここにいる。
だから、もうこれからは普通の人と同じように暮らせると思っていた。
でも、病気による制約は予想以上に大きくてかなりのことが私の考えていた“普通の人”とは違っていた。
毎日薬を飲まなきゃいけないし、体は冷やしちゃいけないし、他の人より体力もない。
それでも私は普通の人、になりたくて思い込ませてきた。
でも一夏の言う通り、何が起きるかなんてわからない。
だから、ふとした時に誰かに歩み寄られるのを拒んでしまう。
だから、私とは違う“普通の人”が作り出す雑踏が私は嫌いだ。
病気というハンディを負った私を、時間も人も、みんながおいていく。
後ろからくる人もみんな。
私の横を駆け抜けていく。
そんな感覚が嫌いで、そう思う自分がもっと嫌いだ。