砂時計が止まる日
私のように先天的な様々な病気で亡くなっていく小さな子たちはたくさんいる。
でも私はその亡くなる子供にはいらなかった。
それはラッキーなことなんだろう。
だからその恵まれた子供に選ばれたことにお礼をしなきゃ、そう思って生きてきた。
「私、凄く弱いんだ。
体もだけど、心も。
今だって心の支えがないと、生きていけないから。」
そう、この砂時計がないと。
私は私でいられない。
「少しだけ昔話聞いてくれない?」
私の言葉に白川君が頷いたのを見て、私は口を開いた。
「私、今は通ってる所に行く前、どこだったかは忘れちゃったけど大きい大学病院に入院してたの。
あれはね、私が4歳の時だったかな。
大きな病室にいつも1人だけ残されて、何もすることもないし、ただぼんやり過ごしてたんだ。
そうしたらある日、誰かがドアを開けっ放しにしてたみたいで、白衣の大人たちに紛れて小さい、それこそ同い年ぐらいの男の子がいて。
偶然、目が合ったの。
男の子はその白衣の間をすり抜けて私の方に来て笑ったの。
凄く凄く無邪気で、私には出来ないような笑顔だったの。
それが、私の男の子の出会いだったんだ。」