砂時計が止まる日
新垣の大きく見開かれた目にいっぱいの涙がたまる。
「迎えに来てくれた...」
彼女はそう言って泣き出した。
あの日、僕らは約束した。
強く生きて。
いつか、迎えに行くから、と。
そう、いつか迎えに行く。
そう言ったけれどそれは簡単なことではなくて、ただあの子が1人で強くいてくれることを祈るばかりだった。
でも、彼女は今、僕の前で弱々しい姿でベッドの上で泣いている...
僕はそっと彼女を抱きしめた。
「気付けなくてごめん...」
僕のつぶやきに彼女は小さく首を横に振っていた。
「ありがと、ありがとう。」
彼女の涙を見たのはあの日以来だ。
でも、“新垣由羅”の弱い姿を見るのは初めてだった。
しばらくして彼女が僕の胸を押すので僕は腕をそっと緩めた。
「何年ぶり、だろうね?」
「わからない。
でも僕は今、君を昔会った女の子じゃなくて頼れる会長の新垣由羅として見たい。」
僕はまた泣き出した彼女の涙を親指で拭った。
触れた肌は暖かった。