耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「うわ~っ!すっごいっ!!」
ほどなくしてエプロンを付けた怜がキッチンから運んで来たのは、大きなお皿に乗ったオムライス。鮮やかな黄色の玉子は見るからにふんわりとしていて、美寧はその触感を考えただけで口の中にじわっと唾液が出るのを感じた。
色素の薄い茶色の瞳が、大きく見開かれキラキラと輝くのを見て、怜は口角を上げる。
テーブルの上にオムライスの皿とオニオンスープの入った器が置かれる。オムライスの皿にはベビーリーフとミニトマトのサラダも付いていて、黄色と緑と赤のコントラストが目にも楽しい。
怜はカトラリーを並べた後、それぞれの前に飲み物の入ったグラスを置いた。
「あっ、梅サイダーだ!」
美寧の前に置かれたのは、庭で取れた梅の実を漬けて作ったシロップを、炭酸水で割った自家製梅サイダーだ。美寧はここで初めてこれを飲んでからすっかりこの飲み物が気に入ってしまった。
「ミネは俺と同じのはまだ飲めないでしょう?」
揶揄うように瞳を細めて怜が言う。怜のグラス入っている黄金色の麦のお酒は、成人して一年あまりしか経たない美寧には、苦いだけでとても美味しいとは思えない。
「そのうち飲めるようになるんだから。」
子ども扱いが悔しくてむくれそうになるが、好物を前にその気持ちもすぐに消え失せる。
「私の好きな物ばっかり!!今日は何かのお祝いなの、れいちゃん?」
「ふふっ、これでお祝いとは、ミネはずいぶん安上がりですね。」
「いいでしょ?好きなものに高いも安いもないもん。」
「確かにミネの言う通りです。」
頬を膨らませている美寧に、怜は微笑みながら頷く。
「ミネは本当に玉子が大好きですもんね。」
「“玉子”が、じゃなくて、“れいちゃんの作る”玉子料理が、好きなの!」
「ふふっ、そうですか?ありがとうございます。」
くっきりとした二重の大きな瞳を、長く細めて嬉しそうにそう言った怜の笑顔に、美寧は釘付けになる。