耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
数分後、目尻に溜まった涙を拭いながら美寧が何とか顔を上げると、向かいから申し訳なさそうに、「びっくりさせてごめんなさいね?」と謝られた。
「い…いえ……」
赤く染まった頬が恥ずかしくて、テーブルに視線を落とす。
「とりあえず、“まだ”なのは分かったわ。」
「えっ!?」
びっくりして顔を上げて「なんで?」と思わず口にすると、「主治医だから?」というよく分からない言葉が返ってきた。
それから頬を赤らめている美寧に気を遣ったのか、ユズキは全然違う話題を振って来た。
「フジ君の料理は美味しいでしょ。」
「はい。ユズキ先生はれいちゃんのお料理、食べたことあるんですか?」
「ええ。学生の時は時々ご馳走になっていたけど、お互い仕事を始めてからは忙しくてなかなか、ね。」
「そうなんですね…」
ユズキが怜の大学時代の友人であることは以前聞いていて知っていたが、家で手料理を食べるほど親しい間柄だとは思っていなかった。
(学生時代のれいちゃん、どんな感じだったんだろう…)
「フジ君は大学の時からあまり変わっていないわ、同い年の女としては悔しいくらいね。」
美寧は丸い瞳をパッチリと開け、ユズキを見た。