耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
怜とユズキは同じ大学に通う同級生で、学部は違ったが英会話サークルで一緒だったという。
そのサークルは彼らの大学だけでなく市内の他大学も含めて広く活動している団体で、総勢百名近くになるビックサークルだったという。
サークル活動の中で、もう一人の“ナギさん”という人とも仲良くなったということだった。
気が合った三人は、専攻科目はバラバラだったが、時間が合えばサークル外でも集まって色々なことを楽しんだらしい。
「素敵ですね、大学生活って。」
「そうね。なんだかんだと忙しかったけれど、今となってはいい思い出かしら。」
(ちょっとだけ羨ましい…かも。)
美寧は小さく息を吐く。
「美寧ちゃんは?大学は?」
美寧の様子を目聡く拾ったユズキに訊ねられ、美寧は少し言い澱んだ。
「大学には行ってない、です。」
「そっか。就職?」
「えっと…その就職もしてなくて…私……」
何をどう説明していいのか自分でも考えがまとまらなくて、俯いて口をもごもごと動かした。
「言いたくないことは言わないでいいのよ?詮索したいわけではないから。」
「……ごめんなさい。」
「謝らないで?こちらこそごめんなさいね。あなたを困らせたって知られたらフジ君に怒られちゃうわ。」
最後の言葉を悪戯っぽい瞳で言ったのは、落ち込みかけた美寧をフォローする為だろう。