耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
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准教授室でひとしきり竹下の質問に答え、今後の実験の問題点や注意点を指摘し終える。
「ありがとうございました。」
竹下は今どきの青年にしては礼儀正しい。そんな彼はお辞儀をした後、腕時計を見て目を丸くした。
「うわっ、もう一時過ぎだ!先生、お昼はもう食べられましたか?」
「いえ、これからです。」
「そうなんですか…すみません、俺、タイミングが悪かったですよね…」
『自分が来たせいで藤波准教授の昼食が遅くなってしまった』と思った竹下は、申し訳なさそうにしている。
「構いません。」
研究室の学生への指導は怜の仕事だ。
“夏休めない”この時期には、“昼休み”という明確な区切りも存在しない。
「先生は今日もお弁当ですか?」
「ええ、そうです。」
「もしよければ俺もお昼を一緒に食べてもいいですか?」
怜は一度だけ瞬きをした後、「構いませんよ」と了承した。